松風庵の犬走りは、広間に面する部分は陶板が敷かれ、小間はたたきでした。
利休ゆかりの大徳寺聚光院でも同様の陶板が敷かれていましたので、この写しなのでしょうか。広間の方は、多くの方が利用されていたためか、陶板はすり減り目地の部分は丸くなっていました。
できれば、このままおいておきたかったのですが、茶室の基礎部分の補強のため撤去しなければならなくなりました。
そこで、今までと同様に広間は陶板としました。
かつては犬走りの止めはなく、すぐに芝生になっていましたが、今回の改修でなぜか樋がなくなったため、雨落ちを設けなければならなくなりました。
そのため、簡素ですっきりとしていた犬走りが少したいそうなものになったのは残念です。
小間の周りはたたきで、古くからあったものをそのまま生かしています。
小間のたたきは縁が取られておらず、たたきだけで仕上がっています。そのためかかなりセメントが混ぜられているようです。しかし、さすがに簡潔にすっきりと仕上がっています。寂を感じさせる納まりです。